図面の検図といえば、代表的なのが部品図の検図です。
部品図を手配する前にはこの検図を必ず実施します。
ただ部品図の検図以外にも重要な検図がもう一つあります。
それは、”購入品リストの検図”です。
購入品リストの検図は意外と軽視されがちなのですが、これはおそらく「購入品リストの検図は部品図の検図が終わってから」という流れがあるせいだと思います。
部品図の検図に手間取っちゃって購入品リストを検図する時間も労力もないぞ・・・
まぁサッと見て出図してしまえばいいか!
↑こんなことはあってはいけませんが、出図納期に追われてついやってしまったという設計者も多いはず...
そこでこの記事では購入品リストの”検図の重要性”と”実際の検図ポイント”を解説していきます。
購入品で間違えやすいポイントと対処方法
センサー
センサー系で間違えやすいのはPNP,NPNの指示です。
これを間違えてしまうとセンサーの買い直さなければなりません。
大抵の場合客先の指定があるので、設計開始時にPNPなのかNPNなのかを確定させて購入品リストができた段階で再度型式確認をしましょう。
リニアガイド
リニアガイドではシールの有無や種類で間違えやすいです。
使用する工場環境でシールの有無やシール箇所が変動するので、これも設計開始時に確定させる必要があります。
ちなみにシールを付けると「シール抵抗」が発生します。
シール抵抗は数Nあるので、エアシリンダ等のアクチュエーターの推力はそれを見込んだ値としましょう。(ガイドが複数あると結構バカにならない抵抗値になります)
シャフト
シャフトでは長さ間違いが起こりやすいです。
恐らくほとんどの機械設計者がシャフトの長さ間違えを経験したことがあると言っても過言ではないのでしょうか。
これは設計途中で購入品のシャフトモデルの長さを変更した際に、シャフトの型式を修正し忘れることが原因のミスです。
長さ間違いのミスを防ぐには、購入品リストに記入するまでは型式の長さ部分を「xx」としておくのが有効的です。
こうすることで設計途中にいちいち型式を変える手間が省けるし、最終形状の段階で長さを測ることになるので間違いが起こりません。長さを記入しないと型式にならないですしね。
ただし、物によっては長さが5mm単位でしか変えられなかったり、長さが対応外といったことがあるので、購入可能な長さかは確認しましょう。
ワッシャー、カラー
厚みや外径などを指定するタイプのワッシャーやカラーを購入する際、寸法の間違いが無いか注意しましょう。
これらはミスミで購入する場面が多いと思いますが、例えば「WSSM10-5-6」といった型式の場合、外径10,内径5,厚み6なのですが、これを勘違いして厚み10,内径5,外径6といった感じで勘違いして「WSSM6-5-10」と間違えてしまうことがあります。
忙しくていちいちカタログを見る暇が無いときに発生しやすいミスですね。
アルミフレーム
アルミフレームは前述したシャフトと同じく、長さ間違いがよく発生します。
間違える原因も同じくシャフトの型式を修正し忘れることが原因なので、長さ間違いのミスを防ぐには、購入品リストに記入するまでは型式の長さ部分を「xx」としておくのが有効的です。
またアルミフレームナットの先入れor後入れは可能な限り統一しましょう。
これが意味もなく混在してしまうと、「このブラケットは先入れなのに、あっちのブラケットはなんで後入れなの?」と現場が混乱してしまいます。
経験的にですが、作業的に楽な後入れできるタイプのアルミフレームナットで統一してしまうことが多いです。
購入品リストも必ず検図をしよう!
購入品リストは部品図の後に作成することから、確認がおろそかになってしまいがちです。
しかし確認していないところでミスは必ず発生してしまいます。
ミスをしてしまう可能性を極限まで減らすために、今回紹介したポイントを参考にして検図は必ず実施しましょう。
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