光電センサやファイバセンサでワークの有無などを検知させる際に、何個も並べてセンサを設置する場合があります。
その時に、ただ単純にセンサを横並びさせてしまうと、センサ同士で「相互干渉」が発生してしまう恐れがあります。
そこでこの記事では、光電センサやファイバセンサで相互干渉を発生させない方法を解説します。
光電&ファイバセンサで相互干渉が発生する原因
そもそも相互干渉が発生する原因は、光の拡散が原因です。
光電センサの投光器から投光される光は拡散しながら進んでいます。
これは光の性質上仕方のないことで、光電センサと同じく使用頻度の高いファイバセンサも同様です。
この光の拡散があるがゆえに、隣接する受光器まで光が届き誤検知してしまいます。
光電&ファイバセンサの相互干渉を防ぐ方法
センサの相互干渉を防ぐ方法は以下の通りです。
・スリットを付ける
・投光器と受光器を千鳥配置する
・光の拡散が少ないレーザータイプのセンサに変更する
・相互干渉防止機能付の機種を使用する
それぞれ詳しく解説します。
相互干渉防止機能付の機種を使用する
相互干渉防止機能付のセンサを使用すれば、相互干渉を確実に防ぐことができます。
相互干渉機能とは、センサが投光、受光するタイミングを意図的にずらす機能のことです。
人の目では分からないですが、センサの投光、受光タイミングがセンサごとに高速で入れ替わることで干渉防止をしています。
この機能を使えば、センサ同士が密着していても相互干渉は発生しないので、省スペースに複数センサを設置する場合に最適な方法です。
ただし注意点として、相互干渉機能はアンプ分離型のみに対応のため、アンプ内蔵の機種では相互干渉機能は使用できません。
スリットを付ける
スリットを付けることで光軸が細くなり、光の広がりを抑えることができます。
すでにセンサが設置済みの場合でも、スリットをセンサに取り付けるだけなので作業は簡単に行えます。スリット自体も1個数百円程度と安いです。
ただし光の量も少なくなるので検出距離は短くなります。
またセンサ同士の距離が近すぎたりする場合は、光軸を狭めるだけのスリットでは相互干渉を防ぎきれないので、別の対応策が必要となります。
投光器と受光器を千鳥配置する
投光器と受光器を交互に配置する「千鳥配置」にする方法です。
千鳥配置にすることで、拡散した光は投光器に向かうので、密着配置しても相互干渉が起きません。
ただし、センサの数が3つ以上になると隣の隣が同じセンサ配置となるので、距離が近すぎると相互干渉が発生してしましいます。
3つ以上のセンサを千鳥配置する場合は隣のセンサを離す必要があります。
光の拡散が少ないレーザータイプのセンサに変更する
レーザー光は指向性に優れており、光が真っすぐ進む=拡散が少ないという特徴があります。
レーザータイプのセンサはこのレーザー光を使用しているので、光電センサやファイバセンサに比べて光の拡散が抑えられ、さらに検出距離も長くなるメリットがあります。
また距離にもよりますが、相互干渉がほぼ発生しないため千鳥配置にする必要もなく、相互干渉機能も不要のためアンプ内蔵式も使用できます。
先述したスリットの上位版といったイメージです。
ただ、センサ自体の価格は高くなり、サイズも他のセンサに比べて大きくなってしまうデメリットがあります。
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