エア量を調整するスピードコントローラ(スピコン)には「メーターイン」と「メーターアウト」の2種類がありますが、空気圧設計の初心者には両者の違いや使い分けが分かりづらい部分があります。
そこでこの記事ではメーターインとメーターアウトの違いと、それぞれの使い分け方法を解説します。
スピコンにおけるメーターインとメーターアウトの目的
スピコンの目的はエアの流量を変化させることで、これはメーターイン・メーターアウト共に同じです。
主な使用先はエアシリンダとなり、エアシリンダに取り付けたスピコンによりエアの流量を変化させ、シリンダの動作スピードをコントロールします。
メーターインとメーターアウトの違い
まず両者には以下の違いがあります。
【メーターインとメーターアウトの違い】
メーターイン・・・エアが入る量(吸気)を調整
メーターアウト・・・エアが抜ける量(排気)を調整
シリンダで使われる場合では次の図になります。
上の図から分かるように、エア調整を「入口」でするか「出口」でするかの違いになります。
メーターインとメーターアウトの特徴と使い分け
メーターインとメーターアウトにはそれぞれ異なった特徴が次のようにあり、適切に使用しないと不具合の原因となってしまいます。
【メーターイン、メーターアウトの特徴】
メーターイン
〇動き出しが早い
〇エアが抜けた状態のシリンダでも飛び出しが無く安全
✕調整がピーキー(ちょっと設定を変えるだけで動きが大きく変わる=安定しずらい)
メーターアウト
〇調整がしやすい(変動が緩やか=安定しやすい)
✕エアが抜けた状態だと飛び出しが発生し危険
通常は調整しやすく安定性が高いメーターアウトが使われますが、場合によってはメーターインを選ぶ事もあります。
【メーターインを選ぶ場合】
・単動シリンダの流量調整
・エアブローの流量調整
単動シリンダは吸気側しかないので、メーターアウトを使ってしまうと調整できなくなります。
エアブローも同じで吸気方向しかエアが流れないので、メーターインでの調整しかできません。
メーターインとメーターアウトの見分け方
最後に両者の見分け方ですが、スピコン本体に刻印されている記号と色の違いで分かるようになっています。
記号だけではパッと見で分かりづらいので、色でも見分ける事ができます。
たまにメーターイン、メーターアウトが間違って使用されている機械があるので、基本を押さえて正しいスピコンを選択できるようにしましょう。
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