3DCADを使った副業を始めたくても、「3DCADが使えるパソコンが選べない…」といった悩みのせいで、なかなか行動に移せなくなっていませんか?
確かにパソコンに詳しくなかったりCADを使ったことが無いと、どんなパソコンなら3DCADが動くか分からないですよね。
よく分からない状態でパソコンを買って、後日CADが動かない!ってなったら最悪です…
安さに釣られて低スペックのパソコンだとCADはまともに起動しないし、かといって安全を取りすぎても機能増し増しの高級パソコンとなってしまい、無駄な費用が掛かってしまいます。
そこでこの記事では、「価格を安く抑えつつも、3DCADが問題なく動かせるパソコンの選び方」を解説します。
※実際に私は本業で3DCADを毎日がっつり使っているので、その経験をもとに選んでいます。
また記事の後半では、「有名どころの3DCADが動くパソコン」の具体的なモデル紹介もあるので、パソコンのモデル選びが面倒!という方はぜひそちらをご覧ください。
3DCADを動かすのに必要なスペック
まずは個人で利用される3DCADそれぞれのソフトが推奨するスペックをまとめ、それをもとに選ぶべきすべきスペックをまとめます。
ここで重要視するスペックは次の3つです。
- CPU・・・処理能力
- GPU(グラフィックボード)・・・表示能力
- メモリ・・・読み込み、記録能力
3つとも高い機能であればあるだけ、3DCADも快適に動きます。
3DCADソフトごとの推奨スペック一覧
CPU | GPU | メモリ | CAD価格 | |
Fusion360 | 4 コア、1.7 GHz 以上 | VRAM 1 GB 以上の専用 GPU | 4 GB の RAM | ¥61,600 |
Inventor | 3.0 GHz 以上、4 コア以上 | 帯域幅 106 GB/秒の 4 GB GPU | 16 GB の RAM | ¥318,000 |
SolidWorks | 3.3GHz以上 | *認定済みのカードとドライバー | 16GB以上 | ¥985,000 |
iCAD | 1GHz以上 | *認定済みのカードとドライバー | 2GB以上 | ¥1,380,000 |
IRONCAD | 2.0 GHz 以上のマルチコア プロセッサー | ミドルレンジクラス以上 | 16 GB 以上 | ¥898,000 |
これは各3DCADが推奨するスペックです。
CAD本体の価格とスペックの高さはあまり関係なく、どれも似たようなスペックを要求されていますね。
一目で分かるパソコンスペックまとめ
各3DCADの推奨スペック表から、3DCADを問題なく動かすのに必要なスペッックをまとめます。
※作業内容で大きくスペックが変化するので以下の2つに分けています。
- 低負荷向け・・・3Dプリンタなど、数点のモデル作成を想定
- 高負荷向け・・・業務レベルで何百点のモデルを取り扱うのを想定
下の表がそれぞれに必要なスペックです。
CPU | GPU | メモリ | |
低負荷向け | Core i5以上 | Quadro P620以上 | 8GB以上 |
高負荷向け | Core i7以上 | Quadro P4000 or RTX4000以上 | 32GB以上 |
※GPUに関して、「Quadro」は3DCADの表示方法に非常にマッチしたシステム設計となっており、ほとんどの3DCADでQuadroが推奨されています。
Quadroはあまりなじみのない方が多いと思いますが、単純にPまたはRTXの後の数字が大きいほど高スペックだということだけ覚えておけばOKです。
もしもこのスペック表よりスペックが低いパソコンの場合、3DCAD使用中に以下のような問題が発生します。
- 3DCADの起動が遅い
- 3Dモデルを動かす際に表示がカクつく
- キーボードやマウス入力が遅延し、最悪無視される
- 3Dモデルのロードやセーブでフリーズする
数時間かけて作成したデータがフリーズのせいで水の泡に…マジで萎えます…
スペックが足りてないとCADの操作やデータ保存などで無駄に時間がかかるので、3DCAD用のパソコンは最低限、スペック表を下回らないように注意しましょう。
3DCADが動くおすすめパソコン
3DCADが動くスペックが分かったので、次はそのスペックを満たしてつつも、価格が安いモデルを紹介します。
(※パソコンの価格や割引クーポンは変更されている可能性があります、ご注意ください)
FRONTIER
FRONTIERはヤマダ電機傘下のBTOパソコンメーカーです。
コスパが良いと評判のメーカーで、高品質なマザーボードや電源を使用しつつ価格も抑えられています。
特にセールの値下げ率が他メーカーとは比べ物にならないといった特徴もあります。
低負荷向けパソコン
- 価格: ¥199,800
- CPU: Intel Core i7
- GPU: Quadro P2200
- メモリ: 32GB
高負荷向けパソコン
- 価格: ¥349,800
- CPU: AMD Ryzen 9 5900X
- GPU: Quadro RTX4000
- メモリ: 32GB
DELL
DELLは海外最大手のパソコンメーカーで、サポートの厚さやメーカー直販による価格の安さが特徴です。
別途料金はかかりますが「翌営業日出張修理サービス」に加入すれば、トラブルが起きても翌日には自宅までスタッフが出張修理に来てくれます。
納期ギリギリでパソコンが壊れた場合には非常に役に立つサービスなので、出来る限り「翌営業日出張修理サービス」 に加入する事をオススメします。
※法人向けモデルは、購入時のアカウント登録の際に「個人事業主」を選択すれば個人でも問題なく購入できます。
低負荷向けパソコン
- 価格: ¥166,161
- CPU: Intel Core i5
- GPU: Quadro P620
- メモリ: 8GB
Lenovo
Lenovoは「簡単には壊れない頑丈さ」や「カスタムの自由度」を武器に、多くの企業で採用されているパソコンメーカーです。
有名なのがThinkPadシリーズで、現場でよく見かけるという方も多いです。
高スペック向けにはThinkStationシリーズがあり、3DCADや3DCGなどの高スペックソフトを使用する場合はこのシリーズから選ぶことになります。
低負荷向けパソコン
- 価格: ¥138,776
- CPU: Intel Core i5
- GPU: Quadro P620
- メモリ: 8GB
高負荷向けパソコン
- 価格: ¥566,126
- CPU: AMD Threadripper PRO 3955WX
- GPU: Quadro RTX4000
- メモリ: 32GB
3DCAD用パソコンを家電量販店で買うのは絶対NG!
実際に商品を目で見たり触れりながら選べるのが家電量販店のメリットですが、3DCAD用パソコンは家電量販店で買うのは基本的にNGです。
一般的に家電屋さんや大手ブランドメーカーのパソコンは、余計なソフトが最初から入っているのですが、そのせいで価格が高くなってしまっています。
一方で紹介したモデルは、こういった無駄な機能やサービスが無い分価格を安くすることができます。
このようにネット上でカスタマイズして買うパソコンの事を「BTO (Build To Order) パソコン」と呼びます。
BTO(Build To Order)=受注生産のこと。自分で好きな機能やスペックをパーツごとにカスタマイズできるので、無駄をなくしつつ安くパソコンを買うことができる
無駄な機能が無い分安くできるので、浮いた分の費用を使って、さらに高いスペックにしたり、マウスなどの周辺機器を揃える事ができます。
安いと不安になるかもしれませんが、大抵のBTOパソコンは保証もキッチリ付いている事がほとんどなので、その点は安心してOKです。
(そもそも家電量販店は一般消費者向けなので、Quadroのような高スペックで専門的なGPUを搭載しているパソコンはほぼ売られていません)
デスクトップとノートを使い分ければ仕事の幅が広がる
3DCAD用パソコンは基本的にスペックが高いデスクトップPCで選ぶのが基本ですが、次のような場合はノートPCで選ぶ必要があります。
- 出張先で設計業務を進めたい
- 打ち合わせ用に持ち運びしたい
- リモートワークするために家に持ち帰りたい
ノートPCはデスクトップPCに比べて多少割高になりますが、持ち運びできるメリットを考えると費用対効果は大きいです。
※3DCADが動かせるノートPCについては別記事にまとたので、詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
・がっつり設計するときはスペックが高いデスクトップPC
・お客さんへの説明に使うときは3Dが表示できればいいのでノートPC
といった使い分けがベストですね!
パソコンは数年ごとの定期的に更新が必要になります。
この記事で紹介したような、「スペックを満たしつつ価格も抑えられているパソコン」を選んで、コスパの良い副業を始めましょう。
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