機械設備ではかなり大量にネジを使用します。
そんなネジですが、種類によって用途が決まっており、それぞれ適した使い方をしないと「ネジのゆるみ」や「ネジが折れる」などの不具合を引き起こしてしまいます。
そこでこの記事では、機械設備に絞って『使用頻度の高いネジの種類と使用方法』を解説します。
ネジが一本緩んだだけで設備がストップしてしまうケースもあるので、正しいネジの知識を身に付けて失敗を防ぎましょう。
機械設備に良く使われるねじの種類と使い方
使用頻度の高い順に、用途も併せて紹介していきます。
六角穴付ボルト(キャップボルト)
円筒形の頭部に六角形の穴が開いているボルトで、六角レンチにて締結します。
六角レンチは少ない作業スペースでも大きなトルクで締め付けららるので、部品が入り組んでいるような狭い箇所ども強固な締結ができます。
また頭が円筒形なので、作業者の手が当たっても怪我をしずらいです。
トラス小ねじ
トラス小ねじは見た目が綺麗なことや、頭が低くて丸いことから、人目につきやすく体が接触しやすいカバーの固定に使われる事が多いです。
また頭の設置面積が大きいので、締め付けた時に部品に痕が残りづらく、木材や樹脂などの柔らかい部品の固定に向いています。
ただし注意点として、締め付けはプラスドライバーで行うので、締め付け力は低めです。
六角穴付き止めねじ
セットスクリューやイモネジ、ホーローセットとも呼ばれます。
ねじ部の先を相手の部材に押しつけて、ものを固定するためのねじです。
先端形状は主に“とがり“と“平“の2種類があります。
とがり・・相手部材に食い込んで止まるため、決められた位置で半永久的に使用する場合に使用
平・・相手部材を傷つけないので、繰り返し使用される場所に使用されます。
注意点として、このねじは締め付け力が弱いので、大きな力がかかる部分にはしないようにしましょう(モーターに繋ぐカップリング部分など)
低頭ボルト
その名の通り頭が低いボルトで、取り付けスペースが少ないところや、座グリ深さが十分に確保出来ない箇所に使用されます。
干渉発生時の取り敢えずの対策で付けられる事も多いです。
頭が小さい分、ボルト自体の強度が低いので締め過ぎには注意が必要です。
また穴深さも浅くなるので工具が引っかかりづらく、なめやすくなっています。
皿小ねじ
皿小ねじは扉のヒンジ部分のように、ねじ頭部を出っぱらせたく無い箇所に使用するねじです。
締め付ける部品にはテーパー形状の座グリ加工が必要になります。
頭が小さい分、締結力が弱く、締め付ける時は毎回穴の中心にボルトがくるので、タップ側部品位置の微調整が効かない点に注意が必要です。
いたずら防止ねじ
いたずらなどでボルトが外されないように、特殊な頭の形をしたねじです。
頭形状には何種類かあり、それぞれ対応する専用工具でないと取り外しができなくなっています。
危険な箇所含め、作業オペレーターに触られたくないところに使用されます。
タッピングねじ
ネジ穴が無く下穴だけの部材に対して、ねじ自身のねじ山で相手部材にねじ山を作りながら締結するねじです。
主にプラスチックなどの柔らかいものに有効で、タップの加工工数を削減する事を目的に使用されます。
失敗例として、購入した市販品を取り付けようとした時に、その市販品にタップが加工されておらず、思わず「不良品だ!」と騒いでしまったことがあります。
先輩からタッピングねじであることを教えてもらいましたが、いい勉強になりました。
まとめ
ここまで読んで頂き、ねじの種類や用途が理解いただけたと思います。
ねじの失敗は大きな問題に発展しやすいので、細心の注意を払ってねじを選びましょう。
(一本のねじの緩みのせいで、設備の全部のねじの増し締めチェックをさせられる…というのは業界あるあるなので、そうならないようにしましょう。)
コメント