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機械設計でよく使う表面処理の種類と特徴

機械設備でよく使う表面処理をまとめました。
よくある「この表面処理ってどんな理由で使われているんだっけ?」といった時の参考にしてください。

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鉄系への表面処理

S45CやSS400などの鉄系材料には次の表面処理がよく使用されています。

四三酸化鉄被膜(黒染め)

主に錆防止のための処理でボルトによく使用されます。安価にでき膜厚も0.2~1μmと非常に薄いので、寸法精度を維持しつつ低コストで処理したい場合に適しています。しかし硬度や耐摩耗性は期待できないので、そのような箇所へは不適切となります。

また光沢無しの黒色なので、光の反射を嫌う画像検査部の部品にもよく使用されます。

硬質クロムメッキ(HCr)

硬度UP、耐摩耗性向上を目的に使用します。一般的な硬質クロムメッキの膜厚はおおよそ10~20μmとなりますが、フラッシュメッキであれば3~5μmの膜厚で硬質クロムメッキができます。フラッシュメッキは寸法精度を維持したい精密部品に向いていますが、膜厚が薄い分メッキの耐久性が下がります。

硬質クロムは部品の角にはメッキが厚くのりバリもでやすいので、処理後に表面を軽く磨く必要があります。一方フラッシュメッキは面に対しては均一にメッキが尽きますが、タップなどの穴や細かい隙間にはメッキが付きにくい性質があります。

無電解ニッケルメッキ

硬度UP、耐摩耗性向上を目的に使用します。膜厚はJISによって定められており、等級によって厚さが3~50μmの範囲で変わります。機械設備の精密部品であれば3~5μmと指定することが多いです。

電気を使わずにメッキができるので樹脂へのメッキも可能です。

【無電解ニッケルメッキと硬質クロムメッキの違いは?】

両者は性質が似ているため使い分けの判断がしづらいですが、次のポイントで判断できます。

  • 硬度は硬質クロムメッキの方が高い
  • メッキの均一性、特に穴内部までしっかりメッキを付けたい場合は無電解ニッケルメッキが適切

セラミックコーティング

セラミックコーティングは硬度が非常に高く耐摩耗性にすぐれており、工具や摺動部に多く使用されています。コーティングの種類によっては金色や紫色、黒色などの色なり、中には虹色に輝くものもあります。

中でも摩擦係数の低いTiCN,CrN,DLCは機械設備でよく使用されています。どのコーティングを選んでいるかは、業界や会社によって実績やノウハウがあります。
また日々新しいコーティング方法が開発されているのもセラミックコーティングの特徴です。

ステンレス系への表面処理

SUS304やSUS440などのステンレス系材料には表面処理は行いません。

ステンレスは元々錆びづらく強度がある材料なので、基本的にメッキなどの表面処理は行いません。表面処理をしない代わりに、”表面仕上げ”を指定することで見た目を変えます。

代表的な表面仕上げを表にまとめます。(表面仕上げの指定方法は、SUS304-2Bのように材料の後ろに表面仕上げ記号を付けます)

名称特徴用途
No.1銀白色で光沢は無し光沢が無いので、人の目につかない箇所に使用。
2Bやや光沢があり滑らか最も一般的。適度に光沢があり、多くの建材や市販品に使用。
#4002Bより光沢がある400番バフで研磨。装飾品や厨房材でよく使用。
HL(ヘアライン)光沢は無いがデザイン目的で研磨目がある意図的に線状の研磨目を残し、艶消しがされている。高級感があり建材でよく使用。

機械設備ではコストが低く手に入りやすい2Bを選んでおけば問題ないでしょう。見た目も十分きれいですし。

アルミ材への表面処理

アルマイト

アルマイトはアルミの表面を電解処理して酸化被膜を生成させる表面処理です。酸化被膜は錆びることがないので、アルマイト処理は錆防止に有効です。また酸化被膜が生成されることで硬度も上がるので耐摩耗性も向上します。一般的な膜厚は5μmです。

アルミは元々電気を通しますが、アルマイトをすると表面が酸化して電気を通さなくなるので、導電性が必要なアルミ部品へのアルマイト処理は注意が必要です。

その他

他にも色を付けたカラーアルマイトや硬質クローム、無電解ニッケルメッキもありますが、機械設備ではほぼ使用されていません。特に硬質クロームと無電解ニッケルメッキのようなメッキ系は、メッキするまでの前処理(脱脂や洗浄など)が鉄に比べて複雑になるため、施工できる業者が限られるので入手性も問題があります。

コストや施工のしやすさを考えても、アルミ材への表面処理はアルマイト処理が適しています。

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