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会社によって設計の常識はどう変わるのか

設計 考え方の違い 機械設計エンジニアの転職

機械設計者として一社で働き続けていると、その会社の独自ルールを世間一般の常識だと思い込んでしまいがちです。

そこで実際にどんな設計の違いが会社間であるのかを、転職経験を持つ私なりにまとめました。

転職しないと気付けない事もある

私は新卒から10年ほど同じ会社で働いていました。

その会社で扱う製品はほぼ固定されており、設計資産も似たようなものを流用していました。
経験を積むにつれて設計スキルは成長していくのですが、主なスキルはその製品を作り上げるためのノウハウとなり、設計的に新しい手法や機構を取り入れる事はほとんどなく、既存の手法に磨きをかけるのが主な業務でした。

これは良いように言えば「その道のベテラン」にはなれますが、逆に言うと「その道しか知らず、スキルもマンネリ化する」とも言えます。

一方、設計会社に転職後は様々な会社の設計に携わることになったのですが、扱う製品分野も製品サイズも全く異なるので、日々新しい知識や考え方に出会うことができています。

転職して気付いたんですが、今まで当たり前と思ってた機械設計の考え方って、会社が変わるだけで全然当たり前じゃなくなるんです。

転職して気付いたんですが、今まで当たり前と思ってた機械設計の考え方って、会社が変わるだけで全然当たり前じゃなくなるんです。

自分自身「こんな事も知らなかったのか…」と思うこともたくさんあり、正直知らないことが恥ずかしいレベルの内容のものもあります。

機械設計者が転職によって得られるのはスキルだけでなく年収UPも狙えます。
以下の記事で詳しく紹介していますが、まずは自分の想定年収を知るところから転職活動を始めてはいかがでしょうか。

転職しないと気付けなかった設計知識

実際に転職して気付いた設計の知識の一部を紹介します。

規格サイズは重要視される

転職前

板厚や幅の規格品を気にせず、設計者の好きに寸法を決めていた

転職後

規格サイズを意識した設計が当たり前
部品によっては規格サイズのまま使える部品寸法にしたり、規格サイズから無駄に削っていないかを確認する

これは無駄な加工=部品費UPに直結するので、設計者なら知ってて当然の基本中の基本なのですが、前職にいた頃は規格サイズがある事すら知らず、好き放題に寸法を決めていました。
今となってはかなり恥ずかしいです…

設計の段階でボルトの長さまで決める

転職前

ボルトは組立者が現場判断で在庫品の中から長さを決める

転職後

設計中に長さを決める。会社によっては購入品のリストに記載することもある

設計段階でボルト長さを決めるメリットとして、ボルト先端が底当たりして締結できてないミスを防げたり、予め必要なボルトが分かるので在庫切れを予防することができることが挙げられます。
特にLMガイドはガイド側のタップ深さが短いので、ボルトの底当たりを防ぐ為の対策(板厚を変えたり座グリ深さを変えたり)が必要ですね。

ノックピンの使い方の違い

転職前

ノックピンを2本使っての位置決めの際に、ノックピンの入りやすさを考慮して丸穴+長穴の組み合わせルール
またノックピン3本を部品に突き当て(肩当て)ての使用も多用

転職後

ノックピン穴が2つとも丸穴が多く、穴同士の距離が長い場合のみ片側長穴にしている設計が多い
また突き当て(肩当て)での使用は少ない

ノックピンは会社によって使い方が結構異なるイメージです。
打ち込んだノックピンが落ちてこないように、位置決め穴を”貫通穴”ではなく”止まり穴”にするという考えは前職では無かったのですが、多くの会社が落下対策として止まり穴を採用しているのを知ってからは後者が一般的な考え方なんだと感じます。

プラス公差のノックピンをハンマーで叩いて圧入するのか、それともマイナス公差のノックピンをロックタイトで固定するか、といった違いもあります。

まとめ

今回は転職して分かった設計知識について紹介しました。

転職せずにその道の知識を深めるか、転職して幅広い知識を吸収するのか。
どちらが正解かは人によりますが、私は転職して良かったと感じています。

この記事がなにか参考になれれば幸いです。

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