機械設計者になったばかりの頃は、何を意識して仕事をすればいいのかが分からず、言われたことを黙々とこなしてしまいがち。
ただ、この新人設計者の頃にちょっとした意識付けをすることで、その後の成長スピードは全然違ってきます。
この記事の内容は、現在中堅設計者の筆者が「新人の頃からこの考え方だったら、もっと仕事の上達が早くできたな」という後悔と反省をもとに書いています。
仕事の進め方について
分からないまま進めない
機械設計者は簡単な研修を終えたら、いきなり設計業務(といっても簡単なもの)を開始する会社が多いと思います。
なので始めの頃は“分からない事だらけ“の状態で設計業務を進めるのですが、分からないまま仕事を進めるのは避けましょう。
例えば図面の書き方一つを取っても、「三角法って何?」とか「尺度ってどうやって変えるの?」、「公差って何なの?」といった感じで疑問が溢れ出てきますが、その都度分からない事は調べるクセを付けましょう。
上司からの「この図面はどうしてこういう書き方をしたの?」という問いに、「何となくです」や「分かりません」と答えるのではなく、「〜だと思ったからです」と答えられるようにする感じです。
間違っててもいいので、自分なりに根拠がある仕事の進め方をすることが上達への第一歩となります。
信頼を得られる立ち回りをする
信頼を得られる立ち回りをすれば、仕事をスムーズに進める事ができます。
勘違いして欲しくないのですが、ここで言う立ち回りとは決して「上司に媚びへつらう」だとか「自分の意に反して無理に人付き合いをする」という意味ではなく、他人からの信頼を得るためのものです。
実践して欲しい立ち回りは具体的に、
- 八方美人にならない
- 情報を自分で抱え込みすぎない
八方美人的な対応は始めのうちは気に入られるかもしれませんが、いずれ嫌われてしまいます。
なぜなら八方美人ですすめた仕事には自分の根拠や自信が無いからです。
「他人の意見は聞くが、自分の中で噛み砕いて納得できた意見だけ取り入れる」というやり方をすれば自分の成長にもなるし、仕事の成果物も品質の良いものが生まれます。
また情報を溜め込みすぎるのもやめましょう。
伝えるべき情報を抱え込んでしまうと、次工程に伝えられるべき情報が伝わらないことでトラブルが発生してしまいます。
伝えるべきかどう迷う内容でも、大抵の場合相談した方が後々の失敗を防げるケースが多いです。
「キミならちゃんと考えてるし、大丈夫でしょ」と先輩や上司に言われるようになればこっちのもんです。
どうやったら同僚との差をつけるか
無理に差をつけろとは言いませんが、”出来る設計者”を目指すには必然的に設計者の中でも秀でる必要があります。
主に次の2つのポイントが重要です。
- 自分の業務外のところの知識もつけておく
- 仕事外の時間を有効活用する
1.自分の業務外のところの知識もつけておく
「言われたことだけやればいい」はやっぱり良くないんです。
もちろん会社に入りたての新人は何をすれば良いか分からないので、当面は言われたことをやるしかありません。
ただ少し仕事に慣れた頃、何となく仕事の流れが掴めてきた頃は周りを意識してみましょう。
- 自分の仕事の出来は先輩と比べてどうか
- 自分の仕事が次工程(自分の仕事の次の工程)にはどう繋がっていくのか
- 自分の仕事がどうやって会社の利益に変わっているのか
これらのポイントを意識すると「どうすれば仕事が上達するのか」や「喜ばれる、または利益になる仕事のやり方」が自分なりに分かってきます。
特に機械設計は機械加工や電気、制御などの様々な知識が必要になります。
全てを完璧に理解するのは不可能ですが、自ら学ぼうとするのとしないのでは、数年後の仕事の出来が全く違ってきます。
2.仕事外の時間を有効活用する
「プライベートの時間まで仕事の事を考えたくない!給料も出るわけじゃないし」と思うかもしれませんが、そう考えるのも当然です。
確かに私自身、新人設計者の頃はこの考え方をしていて、「業務で使うための勉強なら、会社が業務時間内にセミナーや勉強会を開くべきでしょ!」とか思ってました。
しかしセミナーや勉強会は確かに勉強にはなりますが「それが自分の知りたい内容にドンピシャで合ってるか」と言われると、そうではないんです。
もっと深く知りたかったり業務に直接関係なくても知っていれば間接的に役に立つ知識なんかは、セミナーでは手に入りません。
やはり自分の知りたい内容は、自分で調べ解決していく事で身に染み込みます。
もちろん分からない事は詳しい先輩に直接聞くのが1番効率が良いですが、業務時間外に先輩のプライベート時間を潰してまで仕事の事を聞くのはほぼ不可能ですからね。
業務時間外の勉強も習慣づいていけば、プライベート時間に少し勉強するストレスなんて、仕事で行き詰まるストレスに比べれば全然気にならないレベルだと気づきます。
【まとめ】新人設計者の頃に意識しておくと良い事
新人設計者へのアドバイスをまとめるとこうなります。
- 自分なりの根拠のある仕事をする(分からないままにしない)
- 立ち回りを上手くやり、信頼を勝ち取る
- 自分の業務外のところの知識もつけておく
- 仕事外の時間を有効活用する
初めての仕事は慣れないことばかりだと思いますが、これらの事を意識して一人前目指して頑張ってください。
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