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機械設備でよく使う板金材料の種類と選び方 

機械設計の知識

機械設備でよく使う板金材料をまとめました。

「板金の材料選定ってどうやるの?」と疑問のある設計初心者の方はぜひ参考にしてください。

板金材料の種類

機械設備でよく使われる!代表的な板金材料を紹介します。

鉄材(SPCC,SPHC)

SPCCは「冷間圧延鋼板」と呼ばれ、鉄を常温で圧延して作られている板金材料です。

研磨してない状態でも表面は綺麗ですが、鉄なので表面処理をしないと錆が発生してしまいます。

またSPCCは板厚が0.1~3.2mmとなります。

一方SPHCは「熱間圧延鋼板」と呼ばれ、鉄を高温で圧延して作られる板金材料です。

焼けた状態で空気中にさらされるので、表面は黒皮が付いた状態になります。

SPHCの板厚は1.2~14mmとなり、SPCCより厚い板厚があります。

ステンレス材(SUS304)

板金材料としてはSPCCと比べると材料コストが高いですが、耐食性や強度に優れ建材などに多く使用されています。

ステンレスなので表面処理無しでも錆の発生は抑えられますが、厳しい環境下では錆が発生する事もあります。

SUS304にはいくつかの種類があり、圧延された材料そのままのSUS304-2B、片側の面だけ研磨されたSUS304-片研などがあります。

またSUS304は鉄に比べ硬く粘りがあるのでM3未満のタップをあけるのが難しいという欠点があります。実際によく折れるのでM3未満のタップは禁止という会社もあります。

この場合は、SUS303であれば粘り気が少なく切削性もよいので、可能であればSUS303へ材質変更しましょう。

アルミ材(A5052)

アルミは軽量で耐食性に優れており、鉄道や航空機にもよく使われています。

またアルミ専用の表面処理であるアルマイト処理を施すことで、錆の発生を抑える上に様々な色で装飾性も高くなります。

ただし、アルミは他の板金材料よりも曲げ加工で割れやすいので、曲げる場合は出来るだけ曲げRを大きく取れる設計をしましょう。

板金材料の選び方と使い分け

板厚から決める

材料によっては板厚の制限があります。

例えば1.5㎜厚の板金が欲しい場合、SPCCには無いのでSUS304かA5052の規格材から選びましょう。

またSPCCとSPHCは同じ鉄材で性質も似ているため、板厚で使い分けています。

薄い板金ならSPCC、3.2mmより厚い板金はSPHCといった感じです。

見た目から決める

人の目に映る場所など、キレイな見た目が求められる場合、基本的にはどの板金材料でも問題ありません。

ただし、SUS304の場合は研磨されたものを、A5052の場合はアルマイト処理がされたものを使用しましょう。

重さから決める

稼働部に取り付けたり、人の手で持ち運びするといった場合は軽いアルミのA5052を使用しましょう。

アルミはSPCCやSUS304の約三分の一の重さになります。

ただしアルミは他の板金材料に比べて強度が低いので、負荷のかかる箇所は避けましょう。

磁性が必要かで決める

架台のカバーに板金を使用する場合、簡単に取り外しするようなカバーはマグネットキャッチでくっつけて固定することがあります。

この場合は鉄板金を使用しましょう。

SUS304やアルミ材は磁性が無いため、マグネットでくっつくことができません。

諸事情によりSUS304やアルミ材を使用したい場合は、マグネットにくっつく箇所のみ鉄の板金部品を付ける工夫が必要です。

SS400とSPCC(SPHC)の使い分けは?

SS400にはSPCCと同じく厚み2.3mmや3.2mm、4.5mmなどが標準で存在します。

しかもSS400とSPCC,SPHCは同じ鉄系材料で流通性も良い材料です。

ではこれらの材料はどう使い分けたらいいのでしょうか?

答えは、

・切削加工が必要な部品なら迷わずSS400

・強度が必要ならSS400

となります。

レーザーで切り抜いたり、曲げたりといった板金加工なら板金材料であるSPCC、フライスで切削加工をするならSS400を選定します。

また強度の面でいうと、引っ張り強さがSS400が400~510[N/mm^2]、SPCCが270[N/mm^2]となりSPCCはSS400の半分近くまで強度が落ちます。

なので架台や重量物を支える箇所への使用はSS400の方が有利となります。

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